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月の子 [マンガ]


月の子 (第5巻)


参りました。降参です。
まだ言葉にできません。

 もう少し気持ちが落ち着いたらネタバレしない程度にちゃんと書きます。

 清水玲子は大好きな作家の一人である。
初期からのファンで、何度も何度も短編集を繰り返し読んだ。
が。
彼女が長編を描くようになったころから、私は突然少女マンガの世界を切り離した。
『摩利と新吾』『エイリン通り』この二つのバイブルが完結したあたりだ。
清水玲子はまだ『ジャック&エレナ』シリーズを描いていた。

 「清水キャラで好きなのだぁれ?」と聞かれたら迷っていた。
ジャックかなぁ?ショナかなぁ??
ジャックは言わずと知れた清水キャラの代表格。名探偵(?)ジャック・ナイジェル氏。
ショナは短編『ネオ・ドーベルマン』に出てくる、ドーベルマン(犬)と人間とのキメラ(交配種)だ。
彼の一途さが大好きで、ドーベルマンを飼ったら絶対「ショナ」と名づけるつもりだ。
 今同じ質問をされたら迷わず「ショナ!!」と答える。
『ネオ・ドーベルマン』のショナでなく、『月の子』の方のショナ。
彼は人魚です。

 何故か無性にセツとニーノ(by『変奏曲』)が重なるのは私だけであろうか?

 


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10年前の『ぱふ』 [マンガ]

 届きました。
オークションで落札した三原先生追悼特集号です。
 『ぱふ』といえば、シャール特集をやってくれたり、コミケ以外の同人イベントを紹介してくれたり、大好きな雑誌でした。
 10年前の10月。そんな懐かしさで本屋さんで何気なく手にとりました。
「その魂よ永遠に―三原順先生追悼特集」
は?追悼ってなに?なにそれ?
三原先生と同じ名前の作家さんがいらっしゃるの?
パラパラとページをめくる。
そこにはグレアムもアンジーもサーニンもマックスもいて・・・・
3月に先生がご病気で亡くなったと書いてあった。
うそ・・・・・・・。
それ以上読めなかった。
 
 あれから10年。ネットオークションで立て続けに三原GOODSが手に入った。
その中にあの『ぱふ』もあった。
10年経ってる。大丈夫、もう読める。

・・・・・・・・・・・・・・・・。

読めなかったです・・・・・・・・。
BGMが『はみだしっ子』イメージアルバムのせいでしょうか?

やっぱ私は根性無しです・・・・。


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やっぱり凄い作品だと思う [マンガ]

 アホな我が家ではまたまた『タッチ』に嵌ってました。
CS放送って奴は、常にどこかのチャンネルで『タッチ』と『ガンダム』をやってるんです。

タッチ [少年向け:コミックセット]

タッチ TVシリーズ DVD-BOX

タッチ TVシリーズ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2004/11/26
  • メディア: DVD


 4人で揃って見るようになってから、今回で3回目。
次女Nはまだ試合のシーンになると退屈してしまうが、長女Aは全体的にきちんと鑑賞できるようになった。
 私は昭和42年生まれ。43年生まれの主人公達とはタメといってもいい。
私の少年漫画入門作とも言える。
 全てにおいて優秀で、自信の塊なのに全く嫌味のない和也。彼の焦りの原因は、南が好きなのは実は兄の達也の方であること。
和也は南を“勝ち取る”ために、死の前夜(勿論誰にもそれはわからなかったけれど)達也に宣戦布告する。
 南が好きなんだけど、どうしようもない優しさのために、堂々と表せない達也。本来は何をやっても和也よりも優れているはずなのに、“馬鹿兄貴”になりきる。
和也の宣戦布告により、自分の南への気持ちを認めることになる。
 本当は小さい頃から達也が好きなのだけれど、自分のために野球に打ち込む和也にはっきりそれを伝えられない南。和也もそれに気付いている事がわかり、更に2人の間で揺れる。
 そして、和也の交通事故死。
和也の替わりに甲子園を目指す決心をする達也。
南ちゃんに恋する他校の高校生球児、鋭い視線で哲学的に世の中を斬る同級生原田、謎の多い監督代行、ナイスキャラの親達、実に個性的な脇役達を交えて、話はコミカルに、かつシリアスに展開する。
 原作は達也をエースに明星野球部が甲子園で優勝するシーンで終わる。
達也も南に告白し、ハッピーエンド。

 実はそんな甘い話じゃないんですな。
『タッチ』には続編があるんです。
達也と南にとって、和也の死は「現実」。割り切れるもんじゃない。
 「タッちゃんは、いつか南を諦めなければならなかったカッちゃんの想いまで、自分が替わろうとしているんじゃないか?」
 南の父の言葉通り、二人はしっくりこないまま20代になる。
野球を辞めた達也。プロで新人王になりながら、故障の為引退してゆく西村。大学野球で、達也が戻るのを待つ新田。大学で新体操に打ち込む南・・・・・・。
 達也が野球をやれば、必ず和也の名前が出る。美談としてマスコミは大騒ぎする。
「そんなの、和也がかわいそうだ・・・・・・」
また達也は自分を犠牲にしてゆく・・・・。
 そんな達也が「和也を知らない野球」を求めてアメリカ大リーグへ単身乗り出すまでの続編その1。

タッチ~Miss Lonely Yesterday あれから、君は・・・~

タッチ~Miss Lonely Yesterday あれから、君は・・・~

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2001/02/21
  • メディア: DVD

マイナーリーグで戦いながら、遠く日本の南と確かな物を固めてゆく。次期はメジャーか?と片鱗を見せる続編その2。

タッチ CROSS ROAD 風のゆくえ

タッチ CROSS ROAD 風のゆくえ

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2001/05/23
  • メディア: DVD

 まだノモもマツイもいなかった時代。日本人初のメジャーリーガーとなる達也の活躍が観たいぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
映画の影響で『タッチ』再ブームの中、第3段やってくれませんかねぇ?
 あだち作品の実写は数多く映像化されていますが、実写版『タッチ』は観たくない。
大体2時間じゃ収まらんだろう?せめて3部作とかにしない?普通。
あとね、長澤まさみファンが恐いから大きな声で言えない一言。
ぼかしてあるのでファンじゃない方のみドラッグしてください。(*⌒д⌒*)アハ
ばかっぽいしゃべり方をする南は南じゃない!!

 とまぁ、主にアニメについて語りましたが、勿論原作はアニメよりも格段にいいです。
それにしても、メインテーマ『タッチ』はマッチしすぎてカラオケで涙ぐんじまうよ。

タッチ Original Song 1

タッチ Original Song 1

  • アーティスト: 岩崎良美, 日高のり子, 三ッ矢雄二, 芹澤廣明
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 1990/12/15
  • メディア: CD


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忘れた頃に書き出す『コミックバトン』の続き [マンガ]

 忘れてたわけじゃないんですがね・・・・・( ̄ ̄▽ ̄ ̄) エヘヘヘヘヘ……

 さて、あまり触れた事がないですよね?『ダンシング・ゼネレーション』。
私にとっては今でも一番好きな槙村作品です。
槙村先生にとっては、ご自分の中でかなり葛藤のあった時期の物らしいですね。『イマジンノート』を見ますと。
でもね、そういう時期だからこそ、ズシッとくるものってありませんか?
“自分を躾なおさなきゃ”と悟る前のどうしようもない心の乱れって言うのかなぁ?そういうのがさ。

 ストーリーは簡単です。
幼い頃からバレエをやってきた主人公愛子。実は彼女、他の沢山の少女達がそうであるように、高校受験の為に大好きだったバレエを辞めて、バレエにかける情熱も忘れている。
そんな彼女がとあるダンサーと出会うことによって、ダンスと言う今まで知らなかった世界で才能を開花させ、ニューヨークという大舞台へ前進してゆく。
 それまでの少女マンガの主人公達は、常に才能に恵まれ、環境にも容姿にも金銭面でも恵まれ、当たり前の様に“天才”を発揮してきたと思うのですよ。
大好きな『SWAN』の真澄ちゃんも、数々の悩みやあったものの、それは“天才ゆえの悩み”だった。
 愛子は違うんだな。親の反対を押し切ってのダンスチーム入団、N.Yへの短期留学。
その短期留学にしたって資金がないものだから、バイトに明け暮れる。
当然学校の勉強は遅れてしまう。
数々のスポコン系の漫画で、出席日数不足や勉学面での遅れを理由に高校中退を決意する主人公って他に見たこと無い気がするんだ。
結局それが恐くて挫折してゆく親友のまゆみ。彼女との関わりもとても好きです。
少しづつ、少しづつ理解を示してくれるようになる両親。槙村先生は親の気持ちを描くのが実に上手です。
苦難の末、N.Yに長期滞在できるようになるんだけど、そこにも困難はいっぱい。
東洋人である事でコンプレックスを抱きつつ、実はそれが武器になる事を悟ったり。
苛めにあって少しずつ強くなっていったり、親友の挫折、大好きな仲間の大怪我、師匠へのどうすることもできない恋心・・・・
愛子は万能じゃない。“等身大の主人公”という表現があまりにもピッタリ。
これを舞台化したときに、羽佐間慎役の役者さんが役名をそのまま芸名にしたあたり、やっぱ惹きつけるものが大きいんだなぁと感心しました。

 10代半ばにこんなの読んじゃったら、他のどんなにすごい作品がきても「やっぱこれがベスト」になりますがな。
 同じような感じで、成田美名子作品では『あいつ』を選んでしまうんです。


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子育てマンガ [マンガ]

子育てマンガが好きだ。
これはもう、子供が産まれるずっと前から好きだった。

ちいさな来訪者 1 (1)

ちいさな来訪者 1 (1)

  • 作者: 浪花 愛
  • 出版社/メーカー: ラポート
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: コミック


子育てマンガのハシリと言われるこの作品、驚いた事に『アニパロコミックス』で連載していたんですよね。ほた(星見ちゃん)の誕生から育ってゆく様子が愛情いっぱいに描かれていて、“ママ”になるのをとても憧れました。
ほた、大きくなったんです。愛さん、タイトルを変えてずっとずっとほたの成長記を描き続けていらっしゃいます。

 

エデンの東北 (Volume8)

エデンの東北 (Volume8)

  • 作者: 深谷 かほる
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: コミック


これはですね、私たちが育った時代の東北(福島県)を舞台にしたなんともおおらかで素敵な作品です。
主人公のかえるちゃん(作者自身)はブスでどじでいばりんぼで貧乏でどうしようもないの。
いつも弟のあーくんを苛めてばかりなのですが、実はとても可愛がっている。
もう一人の主人公八重子さんは二人のお母さん。美人でおしゃれで苦労人。
酒好きなお父さんと正体不明のペットしんごを交えたもう、なんとも愉快なお話です。
私が東北に住みたかったのは、もしかしたらこの作品の影響大かもです。

ママはぽよぽよザウルスがお好き〈1〉子どもは怪獣だ!

ママはぽよぽよザウルスがお好き〈1〉子どもは怪獣だ!

  • 作者: 青沼 貴子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 単行本


あまりにも有名なママぽよ。二人とも大きくなっただろうなぁ。
ママ業なんて気負っていたらダメだな。明るく呑気が一番だって教えてくれた作品。

そしてそしてやっとの事でゲットしました!!

毎日かあさん2 お入学編

毎日かあさん2 お入学編

  • 作者: 西原 理恵子
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2005/03/26
  • メディア: 単行本


西原作品はご自身の幼少時代を反映した(決してご自身ではないのですが)『ゆんぼくん』で大感激しました。
ギャグマンガの形を借りて、ここまでシュールで考えさせられる作品は類を見ません。
その、“母”“家族愛”に特別な想いを抱いていらっしゃる西原さん。ご自身が母になった目で子供を描くとどうなるのだろう?めっちゃ読みたかったのです。
うーん。流石だ。笑いの中に哀がある。大丈夫。お母さんにこれだけ愛情たっぷりに育てられたんだもの、ゆんぼくんにはならないさ。
こういう作品が『文化庁メディア芸術祭賞』を受賞するってとても嬉しいです。
日本、まだまだ捨てたもんじゃないぞ、と、大喜びです。
 それにしても、うちのNってどう考えても男の子の行動だよなぁ・・・“息子”のクラスの5バカに入れる・・・・・


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世界遭難傑作選の四天王 少女漫画編 その4 『エイリアン通り』  [マンガ]

 私の記憶が確かなら、成田美名子さんが初めて描いた“外国物”だと思う。
SFタッチの物はたくさんあるけれどね。
だからちょっと引いた。
カタカナの名前のMINキャラ?(・Θ・;)~~ウーン…まぁ、いない事はなかったけど舞台は函館だった。
主人公は金髪碧眼演劇部の主演女優(男だけど)でビバリーヒルズに住んでいる?14歳の大学生?なんじゃそりゃ。
これを読む前の年、姉がロスで暮らしていた。『サイファ』のアニスのおばあちゃんが住んでいるオレンジカウンティ。姉はすっかりアメリカン人になってしまっていたので、それも手伝ってどうも『エイリアン通り』ってやつは好きじゃなかった。連載が始まるまでは・・・・・・

 ご贔屓キャラは勿論ジェラール!あの不器用さがたまらなくいいっすね。
作中多分彼がもっと健全に育って来たのではない?
 シャールも翼もセレムもランディもバトラーさんも、みんな過去に辛さを持っている。
それを少しずつ少しずつ解消しながらストーリーは進んでゆく。
その中でジェルは常に単純で前向きでお人よし。シャールを開放してくれたのはジェルだよね。
元々新聞部の取材でシャールを密着するために同居を始めたはずなのに、だんだんシャールがジェルを追いかけるようになる。
シャール君、それでいいんだよ。

 遭難個所はセレムさんっすね。
親から必要とされていないと思いながら育った子。
信じていた人が自分に親切だったのは全てシャールの為だったと知ってしまう。
でもシャールはそんなこと知らずにセレムを信頼する。
イライラする。何故自分は常に影でなければいけないんだ・・・・・・・
辛いよなぁ・・・・
シャールと分かり合って、それでもシャールの影として存在することに決めたセレ。
あんた・・・・・・・・・・・・・・・。

 セレムのモデルは短編『遥かなる金の砂漠』のサミアです。
サミアは時間のひずみに入ってしまったロジャーが、過去の世界で作っちゃった子供。
時間のひずみを修整すれば、サミアは消えてしまう・・・・
これは、実に深い短編です。
 
 しばらく離れていたMIN様作品。昨年から今年にかけてだーーーーーっと再入手。
更紗陛下より新作情報を頂いてから病気再発中です。


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世界遭難傑作選の四天王 少女漫画編 その3 『変奏曲』 [マンガ]

このblog、一日一ページしかアップできない。
しかし、過去の日付でならアップ可能。(・m・ )クス
なので、21日からこのページまで、まとめて23日に書いてます。
たぶん、その4は明日になるでしょう。

 『変奏曲』。これを教えてくれたのは姉。
高校の頃の友人N(次女Nと同じ名前なので注意)。
当時彼女は『風と木の詩』に嵌りまくっていた。
それを知った姉が「Nちゃんにこれ貸してあげて」と、渡してくれたのが『変奏曲』コミックス版の1.2巻。いわゆる黒本。
友人Nは変な奴だ。絵も上手いしピアノも弾く。しゃべらせれば超面白いし、見かけは通りすがりの人が「え?」っと振り向く美少女。全国模試を受ければ現代国語のみ全国一桁代の順位。
進路を決めなければいけないこの時期に、彼女は『変奏曲』に出会ってしまった。
学校の教官は、一人残らず彼女は国文科に行くだろうと思っていた。
ところが奴は「本物のウォルフを見つけるんだ!!」と決意し、音大を受けると言い出した。
中途半端なところではウォルフは見つからない。かといって、理系が全然ダメだから国立は無理。
そこで彼女は私立の最高峰の“声楽科”を受けることにした。
彼女の母上は有名なアナウンサー。声がいいんだわさ。
で、現役合格。
 
 
 一方私は音楽はわからん。しかし、『カノン』で遭難した。
ニーノ・・・・あんた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
天才を父に持ち、有名女優や優れた従兄弟に囲まれていつも小さくなっていたニーノ。
本当は発揮すべき才能を持っているのにそれを表に出す事ができない不器用なニーノ。
救いの手を差し伸べてくれたボブにも100%甘える事ができないニーノ。
あんた・・・・いい奴だ・・・・。
 普段の私のお好みでいえば、ウォルフがご贔屓なんです。短髪黒髪の一見優等生タイプ。
まぁね、Gみたいにひねくれてはいないけどさ。
でもね、『変奏曲』に関してはエドナン親子っすね。

友人Nからの情報により、『変奏曲』には原作者がいると知った。
増山のりえさん?何故表に名前を出さないの?
「“竹宮恵子”っていうのは、“竹宮恵子さんと増山のりえさん”二人合わせての名前だと思えばいいんじゃない?」という友人N。
「(・Θ・;)~~ウーン… 藤子不二雄みたいに?」と私。
今なら「CLAMP」と表現するんだろうけどね。
 ハードカバーにて“増山のりえ”の名前を発見!ゲット!!
その後、コミックス版、ハードカバー版、ペーパームーンコミックス版、三種類の『変奏曲』をそろえる。変?
昨年夏、チャンスに恵まれて増山のりえ先生とお会いでした。
持参したハードカバーにサインを頂く。お宝ものだぁ!!

 大人になって読み返したときに、遭難したのはウォルフの息子、アレンだった。
彼は生まれてからずっとウォルフのコピーとしての存在を求められてきた。
彼にとってきっと世界中で最も大切な存在であろう“パパエドナン”に愛される手段として、彼はウォルフを演じつづけなくてはならなかった・・・・
辛すぎる。ニーノのように逃げ出すことさえ許されない。
のんのさーん。お願いします。何年かかってもいいです。アレンを解放してくださーい。


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世界遭難傑作選の四天王 少女漫画編 その2 『摩利と新吾』 [マンガ]

あの頃、4巻まで出ていたと思う。
中学の頃生まれて初めて読んだ新撰組物である『天まであがれ!』と同じ作者だったので手に取った。
全寮制の旧制高校という設定がいい。
私が通っていた学校は元旧制高等学校だった。
校舎は関東大震災を耐えたというほど古く、当時の“バンカラ”気質が残っているのが学校の誇りだった。
まだ連載中であるということを知って、その月から月刊LaLaを購読し始める。
いつの間にやら“LaLa仲間”ができ、大論争の日々。
 自分がお世辞にも明朗快活とはいえない性格なので、新吾は理想の人間像に見えた。
お坊ちゃまで、人を疑う事を知らず、成績優秀、スポーツ万能、誰からも愛される“おひさま新吾”。
こいつは、その天性の脳天気ゆえに、大親友である摩利を無意識のうちに傷つけてゆく。
連載当時、私にはその摩利の痛みがわからなかった。
友人達に「あんたは新吾並のアンポンタンだ」と言われたが、私には摩利の、新吾に対する恋愛感情が理解できなかったのだ。
一応少女漫画フリーク。男同士の恋愛が嫌だとか、変だとかいう感情は持っていない。
でも、摩利ってば、はっきり言わないからわかんないんだよぉ!!やっぱ新吾並。
 それよりも、新吾が置かれた状況が私を驚かせていた。
信じていた友人にだまされて、全財産を失う新吾の父。その事実は、彼(新吾の父)の交通事故により発覚する。
待て。
うちのパパと同じじゃん・・・・・・
ただ、うちのパパの場合、新吾の父上と違い、交通事故ではかすり傷だったけれど。
 いきなり、自分と新吾がオーバーラップされる。
何落ち込んでんだよ、私。
新吾は前向きじゃないか。
がんばれよ、私。
 高校を辞めて、働きながら通える准看護婦の学校に入るか、中卒でも入れる全寮制の厩務員養成所に入るか、そんなことばかり考えていた矢先だった。
中3高1の2年間担任してくださった大好きな先生のお薦め通り、アルバイトをしながら通学する事を決意。
「急な事故で亡くなった新吾のご両親のように、誰だって確かな明日なんてないんだ」
摩利の言葉がのしかかる。
確かな明日なんてないのなら、後悔しないように生きてやろうじゃないのさ。
「行くなと女みたいに泣いてすがれる性格なら、ばかばかしくて鷹塔摩利なんてやってられない・・・」
自分を曲げてる必要はないんだよね。
 まて。摩利の台詞ばかりだ。しかたないよね、新吾の言葉は率直過ぎて意訳できないからね。

 DOZI様(木原敏江先生)は、実に几帳面な方で、主要人物の“その後”を教えてくださる。
明治、大正、昭和を生きた“心優しき野蛮人”たち。
もう、誰も生きている人いないんだよね・・・・ということから、誰からともなく追悼本を出そうという事になった。
当時は同人の技など何も知らないから、原稿用紙に書いてコピー刷り。
誰かに買ってもらおうなんて考えもしないから、自分達の分だけ、6部作った。
今にして思う。ああーーーーーーーーーー!!とっときゃよかったぁぁ!!
 
 しまりんごは高校生の頃そろえた本で、結婚してこちらへ来るときに手放した。
今のは去年再入手した文庫本。
摩利君の外伝も入ったお宝本でさぁ。
 
 大人になって、いろんな人の痛みがわかるようになってから遭難したのは春日夢殿氏。
彼ほど辛い恋をしていたひとはいないのではないでしょうかねぇ?
っていうお話をしていたら、更紗陛下から教えていただきました。栗本薫さん著『逃げ水』。
やっぱ、夢さん、救われない・・・・・・沈没・・・・・・


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世界遭難傑作選の四天王  少女漫画部門 その1 『はみだしっ子』 [マンガ]

 BBSの方で、まっことに素晴らしいコピーを教えていただいたので早速パクります。
あろまるさん、ありがとう。

 私が少女漫画って奴に嵌りまくっていたのは中学校から高校にかけて。
高校2年になる直前にガラっと生活環境が変わる事になり、急な引越しにより自分の持っていたものの殆どを手放さなければいけなくなった。
教科書と、ほんの少しの服を入れた箱に、15冊の本を忍ばせた。『はみだしっ子』シリーズ全13巻『ロング・アゴー』『はみだしっ子語録』だ。
本当は漫画本なんて持って行かれる状況ではなかった。
実際、私はこのとき学校の制服を入れていない。本気でそんな状況ではなかった。
さだのLPも持っていかれなかったので、カセット数本を入れた。
 それでも、高校の頃ってぇのは全てが楽しいとき。
それまでの“お嬢仲間”とは別に、本当に感性で話せる友人達ができた。
彼女達とは本当にいろいろなことを語り合ったし、あほな行動も一緒にした。
人間をGASMの4タイプに分けることに夢中になったり、しまりんごの追悼本を出してみたり、バイト料が入るとシャールグッズを集めたり、10代のエネルギーって、限度がない。

 彼女達とは勿論高校卒業と同時にバラバラの進路を取る事になる。
いつの間にか私は、少女漫画から離れていった。
 結婚してからも、少女漫画に戻る事はなかなかできなかった。
二人の子供を育てながら、金融機関でフルタイムの仕事をしていると、『現実』の時間が比重を占めすぎて、漫画はおろか、小説すら読めなくなっていった。

 長女が小学2年生になったとき、夫と二人で会社を立ち上げた。
従業員なんていない、二人だけの仕事。
この仕事が私にくれたものは“インターネット”と“自分の時間”。

 「本を読んで遭難する」。これは、本好きならば誰にでも理解できる現象だと思う。
その世界に浸りきって、なかなか現実に帰ってくる事ができない。
そういう作品は確かにある。
 『はみだしっ子』は不思議な作品だ。読み返すたびに、間違いなく遭難する。
ネット環境が整ったとき、私は『遭難者』だった。
この難解極まりない作品について、作者を失ってしまってもう7年も経ってしまったこの作品について、誰か何かコメントをしてくれていないか?
私の疑問に答えてくれる人はいるのだろうか?
そんな想いで検索をかけた。
信じられないくらい沢山の人たちがGASMを忘れずにいた。
疑問を投げかければ必ず投げ返してくれる。あっけなく私は、遭難者ではなくなった。
こんなにすげーコミュニケーションは初めてだ。
改めて、三原順という人の凄さを思う。
 
 『環境』『時間』『仲間』、この3つの要素を得て、私は十数年ぶりに少女漫画に帰ることができた。
遭難したっていいんだ。
10代の感性では理解できなかった部分で遭難している自分がいる。
おもしれーや。o(〃^▽^〃)oあははっ♪

 本来、遭難した場所や言葉について書くべきなのでしょうが、事情により封印中。
ってか、書き始めたら止まりませんので、折を見てチョコチョコとにします。


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一人で勝手に回想 [マンガ]

 案の定嵌ってしまった『CIPHER』。
何故連載当時嵌らなかったのだろう?
『エイリアン通り』がまだ終わったばかりだというのに、いや、正確にはまだ終わらないうちからLaLa誌上はMINの次の連載の話で盛り上がっていた.それがまず気に入らなかった。
最後までじっくりと鑑賞させてくれ!まぁ、今思えばそれだけMINは注目の的だったんだけどね。
もう一つ、これを書いちまうと私の出身校がバレバレになるが、もういいや。20年も前に卒業してんだし。
当時私が通っていた学校には双子がたくさんいた。学年120人中、30人(15組)は双子だった.そういう特色のある学校だった。
サイファやシヴァと同じ年齢の一卵性双生児がたくさんいる、そういう中で暮らしていて感じていた事。
双子だって別々の人間なんだから、友達なら区別がつかないわけない。
私たちにとって、双子はあくまでも“同じ歳の兄弟”であって、一緒くたに考えたことはない。
一卵性双生児AとBがいる。二人が服を取り替えて着ている。私服だったのでそういうことは多々あった。朝会って最初の一言。「Aの服、Bが着ると似あわな--ーい」。だってホントだもん。
 当時私が付き合っていたのは双子の弟の方だった。
ほんとによく似ていたけれど間違えたことないし。ヾ(*゚▽゚*)ノあはは。
兄の方は私よりすげーさだ好きで、ボンボンだったからあの頃からCD持っていて、よく編集してもらった。
だけど、彼氏は弟の方。そんなもんです。
 なので、『CIPHER』の設定には無理が見え見えだった。
一日交代で一人の人間を演じるなんて不可能。
 弟はモテモテで、兄はダメダメな『タッチ』のタッちゃんとカッちゃんのほうがずっと現実的だった。

 今、『CIPHER』を読むと、そんな不自然さはどうでも良くなる。ってか、慣れてくる。
ちゃんと個々が見えてくる。
読者の方も徐々にロイとジェイ(サイファとシヴァは芸名)二人の会話もどちらがしゃべっているか区別がつくようになってくる。
そういえば、中学入学のときはAとBの区別が付かなくて結構大変だったよな・・・・
なーんだ、現実と一緒なんだぁ。
MINがそこまで計算して描いていたかはわからないけれど、双子の“個”に対する拘りや認識、とても上手に表現していると思う。
 MIN系サイトの評を見ると、どうやらこれからどんどんハードになってゆくらしい。
 彼らが何故二人一役を始めたのか、彼らが話してくれるときを、アニスと一緒に待っています。
・・・・・・。20年も遅れて読んでて、何言ってんだかなぁ・・・・。

 『花よりも花の如く』3巻発売しました!!
MINが描く舞台はやはり日本がニチバンだと思ってしまう私がいる。(・m・ )クス


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